診療科・部門のご紹介
放射線技術科
放射線技術科は、全診療科より依頼される放射線検査及びMRI検査すべてを担っており、常勤技師14名・非常勤技師1名・受付事務1名により業務を行っております。主な検査業務は、一般撮影・骨密度測定・X線TV検査・CT・MRI・マンモグラフィ・ポータブル撮影・術中イメージ操作などとなります。
当院は急性期を中心とし、2次救急や入院治療を必要とする患者様を担当する病院です。当科は2交代勤務体制をとっており、365日24時間幅広い検査に対応しています。
また、CT・MRI・マンモグラフィ・骨密度測定検査に関しては、地域で開業されている先生方に当院の機器を利用していただく、「医療機器共同利用」も受け付けております。
一般撮影・骨密度測定
一般撮影はX線を体に照射して写真を撮る検査であり、レントゲン写真と言われるもののほとんどがこれにあたります。
現在は撮影装置の進歩によりほとんどの撮影画像がデジタル化され、被ばく線量の低減・撮影効率の向上等が成されております。
当科では、一般撮影室の全室にFPD(フラットパネルディテクタ)を導入致しました。FPDは従来のCR撮影よりもX線利用効率や感度が高いため、より少ない線量で撮影することが可能となります。さらに、撮影した画像を即座に確認できるため時間的なロスも減らすことができます。撮影にかかる時間を短縮することで、患者様の時間的・身体的負担をできるだけ減らせるよう努めております。
通常の撮影の他、長尺撮影が可能な装置も配置しており、主に整形関係での全脊椎や下肢全長などの撮影にも対応できます。
長尺撮影
また、救急検査を優先的に行える撮影室を完備し、救急患者様の検査も迅速に対応できる環境を整えています。
骨密度測定装置も配置しており、DEXA法により腰椎と大腿骨から骨密度を測定します。
近年、高齢化社会に伴い、骨折の原因となる骨粗鬆症への関心が高まっています。
骨粗鬆症骨折の中で大腿部骨折と胸椎・腰椎の椎体骨折は寝たきりの原因ともなります。
さらに、現代の食生活の変化、無理なダイエットによる骨密度の減少もクローズアップされてきています。
骨密度を測定することは、骨密度の減少を早期に発見し、骨折の原因となる骨粗鬆症の予防や適切な治療を行うことを目的としています。
当院はGEヘルスケア・ジャパン「PRODIGY Fuga」(フルサイズタイプ)を使用しております。
本装置は腰椎、大腿骨の骨密度測定に限らず、全身骨密度と体組成測定、人工股関節周囲の骨密度計測などのアセスメント機能も有しています。
さらに、従来の骨密度評価を補足する指標として注目されている海綿骨構造指標(Trabecular Bone Score:TBS)や大腿骨強度解析(Advanced Hip Assesment:AHA)も提供可能です。
TBSは、Medimaps Group社(スイス)が開発したソフトウェアで、X線骨密度測定装置で計測された腰椎画像の画素濃度をテクスチャー解析して算出される指標です。骨の微細な構造から得られる骨質の指標を表します。
TBSには以下の制限がございます。
・腰椎正面のみ…股関節または前腕骨の測定は、TBSに対応できません。
・成人のみ…20歳未満の患者では正確ではありません。
・BMI範囲: 15 – 37 kg /m2のBMIを持つ患者に対して正確です。 BMIが範囲外の場合、測定結果の正確性が損なわれる可能性があります。
・日本人のリファレンスグラフは、女性のみ利用可能です。年代は20歳以上、80歳以下です。
※骨密度測定検査を希望される方は、各診療科の担当医師にご相談ください。
X線TV
X線TVとは、体内の情報をモニター画面にリアルタイムに映し出す装置です。
当院では、通常型とCアーム型の2台を運用し、ともに17インチ×17インチの大視野FPD(フラットパネルディテクタ)を搭載しています。
このFPDにより、高画質で歪みのない広大な視野を得ることができ、各種検査の精度向上、効率化による被ばく低減等を実現しています。
また、従来のFPDシステムの画像は,濃度階調10~12ビットで出力および保存していましたが、当院の装置では16ビットのままHDD保存とDICOM保存を行います。これにより、画質を劣化させることなく高度な画像処理を行うことを可能になりました。
胃透視や注腸検査の他、内視鏡を使った各種検査、各診療科の幅広い検査が可能となっています。
新画質コンセプト PureBrain
PureBrainは,高精細・高S/N画像技術,画像安定化処理技術,最適透視画質技術を融合し,最小の操作で,被写体に依存しない安定した画質と,低線量での高画質を提供します。
例えば,消化管造影検査では透視での残像を抑え,胆嚢造影検査や肝動脈造影検査ではS/Nとコントラストを上げる処理にするなどの設定が可能です。
透視自動記録機能では,透視画像を常時メモリに記録し,透視終了後に再生や保存を行えます。撮影を行わずに透視画像から保存する画像を選択することが可能です。
胆道造影画像
CT
CT検査ではX線を用いて身体の横断像(輪切り)を撮影することが出来ます。また、コンピューター処理によって横断面だけではなく、様々な方向の断層像が作成できます。また、断層像の他にも立体的な3D画像を作成することもできます。
当院では、80列160スライスCT装置と64列128スライスCT装置の2台を運用しております。
両装置とも、自動露出機構(AEC)や画像ノイズ除去技術を駆使し、より少ない被ばく線量と高画質を両立させる事を心がけております。
また、炭酸ガス送気ユニット「エニマCO2」も導入し、安全に大腸CT検査を実施する事ができます。
キャノンメディカルシステムズ : 「Aquilion PRIME SP i Edition」
AI(人工知能)技術であるディープラーニングを用いた画像再構成技術AiCE(Advanced intelligence Clear-IQ Engine)を搭載しています。低線量化しても空間分解能が向上し、大幅なノイズ低減効果が得られる画期的な画像処理手法です。
OEM(Organ Effective Modulation):方向性変調スキャン
組織感受性の高い眼の水晶体や乳房における被ばく低減を目的とする技術です。
被写体前面からの照射線量の制御を行い、被ばく低減が可能となります。
フィリップス・ジャパン : 「Ingenuity CT」
Ingenuity CTに搭載されている逐次近似応用画像再構成技術「iDose4」は、比較的低線量で撮影されたデータであっても、分解能を損なわずに画像ノイズとアーチファクトを大幅に低減できる画像再構成法です。
本装置には、金属アーチファクト低減技術である「O-MAR」も搭載されています。従来、体内に挿入された金属周辺の診断は困難でしたが、 この技術を使用することによりアーチファクトを低減することができ、高い診断能を保つことが可能となります。
冠動脈(心臓)CT検査画像
大腸CT検査画像
内臓脂肪測定レポート
MRI
MRIは強い磁石と電波を使い体内の状態を断面像として描写する検査です。特殊な電波を身体に当てて、体の中から放出された信号を特殊なアンテナで受信しコンピューターで画像をつくります。
当院は、PHILIPS (フィリップス) 社製MRI装置「Ingenia 1.5T」を導入しました。
本装置はデジタルコイルを搭載しており、高精細な画像を短時間で撮影することができます。
また、従来のMRI装置よりトンネル部分が幅広く設計されており、検査中に映像と音楽を楽しむことができるシステムも導入しましたので、閉所が苦手な患者様にも安心して検査を受けていただけます。
フィリップス・ジャパン:「Ingenia1.5T」
デジタルコイルシステムとは、コイル内で信号変換を全て完了するコイルです。
コイル内で完了することにより、外来ノイズが混入せず高画質を得ることが可能です。
従来のコイルシステムよりデジタルコイルシステムのほうが
高画質の画像を得ることが可能です。
In Bore solution(インボア ソリューション)
検査環境を大幅に改善した新しいシステムです。映像と音楽を楽しみながら検査を受けることができます。
※注 :検査内容によっては映像をご覧いただく事ができません。
コンテンツ映像や音楽、静音シーケンスにより患者様の不安を取り除きます。
タッチパネルでお好きなコンテンツを選択します。
頭部コイル付属の鏡により映像をご覧いただき、
ヘッドセットからBGMを楽しめます。
画面には、検査の進行状況や撮像と連動した息止め指示も表示されます。
マンモグラフィ
マンモグラフィは、乳がんを診断する方法のひとつで、乳腺・乳房専用のレントゲン撮影です。
この検査を受けることで、触っても判らないような早期の小さな乳がんは勿論、しこりを作らない乳がんを白い影(腫瘤影)や非常に細かい石灰化の影(微細石灰化)として見つけることができます。悪性の病気だけでなく、良性のものも見つかりますので、検査で異常があったからといって全てが悪いものとは限りません。
この検査は、乳房を左右片方ずつアクリルの透明な板で圧迫し、薄く均等に広げて撮影します。こうすることで、少ないX線の量で乳房の中をより鮮明に見ることができます。挟むことにより痛みを伴うこともありますが、これは病気の有無を診断する上でとても大切なことですのでご協力をお願いいたします。
当院ではデジタルのマンモグラフィ装置を導入しており、乳がん検査に効果的な高画質画像を得ることができます。
また、当院では女性技師がマンモグラフィの検査を担当しております。検査に関して気になることがありましたら、遠慮なくスタッフにお申し出ください。
ポータブル
ポータブル撮影装置は、レントゲン撮影室まで移動することができない患者様がいる場所へ、装置自体が移動して撮影する際に使用します。
救急外来・手術室・病室等で使用します。
当院では3台の装置を導入し、そのすべてがFPD(フラットパネルディテクタ)に対応しております。
大きく見やすいモニタを搭載しているため、撮影した画像を装置上で瞬時に見ることができます。
また、無線LANを用いて撮影した画像を院内画像サーバーに送信できるため、各診療部門においても撮影した画像が今までより早く閲覧できるようになりました。
一刻を争う救急の現場等において、次の処置に必要な情報がすぐに得られ迅速な処置が可能になります。
術中イメージ(外科用イメージ装置)
外科用イメージ装置とは、手術室で使用する小型の移動式装置で、術中にX線透視画像を見ることができます。主に整形外科手術で使用し、Cアーム構造により任意の方向から透視が可能で、医師の手技等をサポートします。
当院では富士フィルムメディカルの「COREVISION SD」を導入しました。(茨城県内初導入)
COREVISION SDの特徴
・20.5cm×20.5cmのCMOSフラットパネルディテクター搭載。ノイズや歪みが少ない高解像画像を描出します。
・新X線動画処理エンジン「ダイナミックコアエンジン」により、高鮮鋭かつ高コントラストなX線動画像を提供します。
・動画像を構成する一枚一枚のフレームにノイズ低減処理を施し、さらに被写体の動きを高精度に検出して前後のフレームを重ね合わせることで、ノイズを低減しながらも処置具や患部の対象物を鮮明に描出します。
・対象部位のX線吸収量の違いにより発生する白つぶれや黒つぶれを抑制し、バランスの良いコントラストを実現します。
・画像処理が高速に行われるため、最大25フレーム/秒の高フレームレートでも、実際の動きと動画上の動きのタイムラグを抑えて、X線動画を鮮明に描出します。
これらの技術の組み合わせで、低線量で撮影した場合でも、診断に貢献する画像を提供することが可能です。
問い合わせ先
このページに関するお問い合わせは西部メディカルセンター 放射線技術科です。
病院棟1階 〒308-0813 茨城県筑西市大塚555番地
電話番号:0296-24-9111(代表)