放射線技術科

放射線技術科は、全診療科から依頼される放射線検査及びMRI検査を担っております。

皆さまにはできる限り有益な検査を受けていただけるよう、知識・技術の向上に励んでおります。

スタッフ紹介

診療放射線技師16名(常勤15名・非常勤1名)と受付事務1名 で業務に対応しています。

業務内容 

主な検査業務は、一般撮影・骨密度測定・X線TV検査・CT・MRI・マンモグラフィ・ポータブル撮影・術中イメージ操作などです。

茨城県西部メディカルセンターは、急性期医療、入院診療を重視し、地域で2次救急医療を完結することを重要な使命と位置づけています。救急科が設置され、「断らない救急」をスローガンに患者さんを受け入れています。

放射線技術科は2交代勤務体制をとっており、日常業務のほか、時間外においても幅広い検査に対応して当院の救急医療体制を支援しています。

なお、CT・MRI・マンモグラフィ・骨密度測定検査に関しては、地域で開業されている先生方に当院の機器を利用していただく、「医療機器共同利用」も受け付けております。

医療機器共同利用について

一般撮影

一般撮影検査は、X線という放射線を被写体に照射して、身体を通過してきたX線を記録して画像にします。レントゲン写真と言われるものです。主に胸・腹部撮影、骨撮影があり、病変や骨折の有無を調べる検査です。CTやMRIなどに比べて撮影時間が短く、救急時など全体像を素早く知る必要がある時にも非常に有用な検査です。

骨密度測定

近年、高齢化社会に伴い、骨折の原因となる骨粗鬆症への関心が高まっています。

骨粗鬆症骨折の中で大腿部骨折と胸椎・腰椎の椎体骨折は寝たきりの原因ともなります。

さらに、現代の食生活の変化、無理なダイエットによる骨密度の減少もクローズアップされてきています。

骨密度測定は、骨密度の減少を早期に発見し、骨折の原因となる骨粗鬆症の予防や適切な治療を行うことを目的としています。

当科は、院内に組織されているFLS(Fracture Liaison Service:骨折リエゾンサービス)チームに参画しております。リエゾンとは「仲介」「連携」「橋渡し」を意味するフランス語で、FLSは二次性骨折予防に努めるチームのことです。正確な骨密度測定を行うことで、骨粗鬆症診断・治療に貢献しております。

X線TV検査

X線を使用してリアルタイムで体内を観察できる装置を用い、胃バリウム検査や注腸検査の他、内視鏡を使った各種検査、各診療科の幅広い検査を行います。

CT

CT検査ではX線を用いて身体の横断像(輪切り)を撮影することが出来ます。また、コンピューター処理によって横断面だけではなく、様々な方向の断層像が作成できます。また、断層像の他にも立体的な3D画像を作成することもできます。

CT検査には、造影剤を用いない単純CT検査と、造影剤を静脈に注入して検査をする造影CT検査の2種類があります。造影剤を使用することで、単純CT検査では判らない血行動態や栄養血管の把握、病変の検出と進展範囲など、より正確な診断が可能となります。

MRI

MRIは強い磁石と電波を使い体内の状態を断面像として描写する検査です。特殊な電波を身体に当てて、体の中から放出された信号を特殊なアンテナで受信しコンピューターで画像をつくります。脳や脊椎、四肢、腹部、骨盤部、血管などの検査を得意としています。

マンモグラフィ

乳房専用の撮影装置を使って行うX線検査です。マンモグラフィは早期乳がんに伴ってできる小さな石灰化を見つけるのに有用な検査です。

ポータブル

ポータブル撮影装置は、レントゲン撮影室まで移動することができない患者様がいる場所へ、装置自体が移動して撮影する際に使用します。救急外来・手術室・病室等で使用します。

術中イメージ

手術室で使用する移動式透視装置により、術中にX線透視画像を見ることができます。主に整形外科手術で使用し、医師の手技等をサポートします。

施設・設備

一般撮影

現在は撮影装置の進歩によりほとんどの撮影画像がデジタル化され、被ばく線量の低減・撮影効率の向上等がなされております。

当科でも、一般撮影全室でFPD(フラットパネルディテクタ)を使用しています。

FPDは従来のCR撮影よりもX線利用効率や感度が高いため、より少ない線量で撮影することが可能となります。さらに、撮影した画像を即座に確認できるため時間的なロスも減らすことができます。撮影にかかる時間を短縮することで、患者さんの時間的・身体的負担をできるだけ減らせるよう努めております。

一般撮影・骨密度測定

通常の撮影の他、長尺撮影が可能な装置も配置しており、主に整形関係での全脊椎や下肢全長などの撮影にも対応できます。

全脊椎や全下肢を1枚の画像で表示

1回の操作で複数枚の画像を撮影し、自動的に画像合成を行うことで、最長で立位160センチメートル、臥位120センチメートルの長尺撮影を実現。体動により発生する画像のずれを自動補正で位置合わせできます。

長尺(1)

長尺(2)立位2

長尺(3)臥位

 

骨密度測定

当院ではDEXA法と呼ばれる方法で測定を行なっています。エネルギーの違う2種類のX線を照射し、骨と軟部組織の吸収率の差で骨密度の計測をする方法です。超音波などを用いた他の方法と比べ、測定精度が非常に高いとされています。

GEヘルスケア・ジャパン「PRODIGY Fuga」(フルサイズタイプ)を使用しております。

本装置は腰椎、大腿骨の骨密度測定に限らず、全身骨密度と体組成測定、人工股関節周囲の骨密度計測などのアセスメント機能も有しています。

さらに、従来の骨密度評価を補足する指標として注目されている海綿骨構造指標(Trabecular Bone Score:TBS)や大腿骨強度解析(Advanced Hip Assesment:AHA)も提供可能です。

放射線科1

GEヘルスケア・ジャパン
「PRODIGY Fuga」
(フルサイズタイプ)

骨密度結果(1)

骨密度結果(2)

 

骨密度3 骨密度4

TBSは、Medimaps Group社(スイス)が開発したソフトウェアで、X線骨密度測定装置で計測された腰椎画像の画素濃度をテクスチャー解析して算出される指標です。骨の微細な構造から得られる骨質の指標を表します。

TBSには以下の制限がございます。

  • 腰椎正面のみ…股関節または前腕骨の測定は、TBSに対応できません。
  • 成人のみ…20歳未満の患者では正確ではありません。
  • BMI範囲: 15 – 37 kg /m2のBMIを持つ患者に対して正確です。 BMIが範囲外の場合、測定結果の正確性が損なわれる可能性があります。
  • 日本人のリファレンスグラフは、女性のみ利用可能です。年代は20歳以上、80歳以下です。

※骨密度測定検査を希望される方は、各診療科の担当医師にご相談ください。

X線TV

X線TVとは、体内の情報をモニター画面にリアルタイムに映し出す装置です。

当院では、通常型とCアーム型の2台を運用し、ともに17インチ×17インチの大視野FPD(フラットパネルディテクタ)を搭載しています。

X線TV_01

X線TV_02

このFPDにより、高画質で歪みのない広大な視野を得ることができ、各種検査の精度向上、効率化による被ばく低減等を実現しています。

CT

80列160スライスCT装置と64列128スライスCT装置の2台を運用しております。

両装置とも、自動露出機構(AEC)や画像ノイズ除去技術を駆使し、より少ない被ばく線量と高画質を両立させる事を心がけております。

炭酸ガス送気ユニット「エニマCO2」も完備しており、安全に大腸CT検査を実施する事ができます。

放射線科4キャノンメディカルシステムズ
「Aquilion PRIME SP i Edition」

CT画質比較2従来技術(左)とAiCE(右)の画質比較

放射線科6

AI(人工知能)技術であるディープラーニングを用いた画像再構成技術AiCE(Advanced intelligence Clear-IQ Engine)を搭載しています。低線量化しても空間分解能が向上し、大幅なノイズ低減効果が得られる画期的な画像処理手法です。

放射線科8
OEM(Organ Effective Modulation)
方向性変調スキャン

OEMは組織感受性の高い眼の水晶体や乳房における被ばく低減を目的とする技術です。被写体前面からの照射線量の制御を行い、被ばく低減が可能となります。

放射線科9

フィリップス・ジャパン
「Ingenuity CT」

iDose

O-MAR

Ingenuity CTに搭載されている逐次近似応用画像再構成技術「iDose4」は、比較的低線量で撮影されたデータであっても、分解能を損なわずに画像ノイズとアーチファクトを大幅に低減できる画像再構成法です。

本装置には、金属アーチファクト低減技術である「O-MAR」も搭載されています。従来、体内に挿入された金属周辺の診断は困難でしたが、 この技術を使用することによりアーチファクトを低減することができ、高い診断能を保つことが可能となります。

エニマCO2

炭酸ガス送気ユニット
「エニマCO2」

 

 

 

冠動脈(心臓)CT画像

冠動脈(心臓)CT検査画像

大腸CT画像

大腸CT検査画像

内臓脂肪レポート

内臓脂肪測定レポート

MRI

PHILIPS  (フィリップス) 社製MRI装置「Ingenia 1.5T」を運用しております。

本装置はデジタルコイルを搭載しており、高精細な画像を短時間で撮像することができます。

また、従来のMRI装置よりトンネル部分が幅広く設計されており、検査中に映像と音楽を楽しむことができるシステムも導入しましたので、閉所が苦手な方にも安心して検査を受けていただけます。

MRI

フィリップス・ジャパン
「Ingenia1.5T」

サンプル画像

デジタルコイルシステムとは、コイル内で信号変換を全て完了するコイルです。コイル内で完了することにより、外来ノイズが混入せず高画質を得ることが可能です。

コイルシステム2

従来のコイルシステム(左)より、デジタルコイルシステム(右)のほうが高画質の画像を得ることが可能です。

In Bore solution(インボア ソリューション)

検査環境を大幅に改善した新しいシステムです。映像と音楽を楽しみながら検査を受けることができます。

※注 :検査内容によっては映像をご覧いただく事ができません。

In Bore solution01コンテンツ映像や音楽、静音シーケンスにより患者様の不安を取り除きます。

In Bore solution02タッチパネルでお好きなコンテンツを選択します。

In Bore solution03In Bore solution04
頭部コイル付属の鏡により映像をご覧いただき、ヘッドセットからBGMを楽しめます。

息止め指示01息止め指示02
画面には、検査の進行状況や撮像と連動した息止め指示も表示されます。

マンモグラフィ

デジタルのマンモグラフィ装置を導入しており、乳がん検査に効果的な高画質画像を得ることができます。

デジタルマンモグラフィ

この検査は、乳房を左右片方ずつアクリルの透明な板で圧迫し、薄く均等に広げて撮影します。こうすることで、少ないX線の量で乳房の中をより鮮明に見ることができます。挟むことにより痛みを伴うこともありますが、これは病気の有無を診断する上でとても大切なことですのでご協力をお願いいたします。

マンモグラフィ検査を受けることで、触っても判らないような早期の小さな乳がんは勿論、しこりを作らない乳がんを白い影(腫瘤影)や非常に細かい石灰化の影(微細石灰化)として見つけることができます。悪性の病気だけでなく、良性のものも見つかりますので、検査で異常があったからといって全てが悪いものとは限りません。

また、当院では全てのマンモグラフィ検査を女性技師が担当しております。検査に関して気になることがありましたら、遠慮なくスタッフにお申し出ください。

ポータブル

3台の装置を導入し、そのすべてがFPD(フラットパネルディテクタ)に対応しております。

 

 

ポータブル01

ポータブル02

 

モニタ

大きく見やすいモニターを搭載しているため、撮影した画像を装置上で瞬時に見ることができます。

また、無線LANを用いて撮影した画像を院内画像サーバーに送信できるため、各診療部門においても撮影した画像が素早く閲覧できます。

一刻を争う救急の現場等において、次の処置に必要な情報がすぐに得られ迅速な処置が可能になります。

術中イメージ(外科用イメージ装置)

当院では2台の外科用イメージ装置を運用しております。

外科用イメージ装置は、外科系(とくに整形外科)の手術を行う際に使用する放射線透視装置です。主にC型アームとモニターで構成されます。

 

シーメンスヘルスケア「SIREMOBILE Compact L」

シーメンスヘルスケア
「SIREMOBILE Compact L」

富士フィルムメディカル「COREVISION SD」

富士フィルムメディカル
「COREVISION SD」

COREVISION SDの特徴

  • 20.5cm×20.5cmのCMOSフラットパネルディテクター搭載。ノイズや歪みが少ない高解像画像を描出します。
  • 新X線動画処理エンジン「ダイナミックコアエンジン」により、高鮮鋭かつ高コントラストなX線動画像を提供します。
  • 動画像を構成する一枚一枚のフレームにノイズ低減処理を施し、さらに被写体の動きを高精度に検出して前後のフレームを重ね合わせることで、ノイズを低減しながらも処置具や患部の対象物を鮮明に描出します。
  • 対象部位のX線吸収量の違いにより発生する白つぶれや黒つぶれを抑制し、バランスの良いコントラストを実現します。
  • 画像処理が高速に行われるため、最大25フレーム/秒の高フレームレートでも、実際の動きと動画上の動きのタイムラグを抑えて、X線動画を鮮明に描出します。
  • これらの技術の組み合わせで、低線量で撮影した場合でも、診断に貢献する画像を提供することが可能です。

 

サンプル画像1

一般的な処理
(線量:18.7mA)

サンプル画像2

ダイナミック処理
適用後
(線量:18.7mA)

サンプル画像3

ダイナミック処理+ノイズ抑制処理
適用後
(線量:9.8mA)

O-armイメージングシステム

O-armイメージングシステムは、アルファベットの『O』形をした、手術中に使用できるCT(Computed Tomography)装置です。

X線を用いた高精細な透視画像と、3次元(3D)画像で、これまで確認しにくかった箇所まで手術中に映し出すことが可能となります。

3次元画像をナビゲーションシステムへ転送することで、医師はリアルタイムの画像上で種々の確認を行いながら、高い精度で手術を行うことができます。

O-armイメージングシステム

職員の教育体制

資格取得

  • X線CT認定技師
  • 画像等手術支援認定診療放射線技師
  • 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師
  • 第一種放射線取扱主任者

認定

  • 磁気共鳴(MR)専門技術者認定
  • 胃がんX線検診技術部門B資格検定
  • 胃がんX線検診読影部門B資格検定

実習・見学等の受入

見学

見学希望者に対して随時実施しています。ご希望の方は、当院人事課までお問合せください。

 

このページの内容に関するお問い合わせ先

西部メディカルセンター

〒308-0813 茨城県筑西市大塚555番地

電話番号:0296-24-9111(代表)

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  • 【ID】P-375
  • 【更新日】2024年9月3日
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